いかに生き、いかに死ぬか

圓應寺 住職法話

その他 住職略歴・臨時法話など

「臨時法話 東日本大震災三回忌慰霊並びに復興祈願法要開催」

 あの大震災から2年を迎えようとした去る3月9日、山形村山教区主催、山形庄内・同置賜教区協賛により、一昨年の四十九日忌、昨年の一周忌法要に続き標記法要を山形村山教区圓應寺(宗務所)に於いて開催しました。 法要は山形県内三教区から住職、教師、岩手教区長佐藤秀佳師、宮城教区長杉田広仁師のご臨席をいただき(僧侶三十五人)、寺庭(住職の奥様)、檀信徒、地域住民そして被災を受けて県内に避難している方々にも出席いただき、総勢250人、全員ボランティアとして参加いただきました。

会奉行 地蔵寺住職 佐藤快雄師

今回の法要は、過去2回の法要を踏まえ、

  1. 宗派の呼び掛けに呼応して「慰霊と復興に向けて」の写経と納経料に三教区で取り組み、法要で奉呈すること
  2. 遍照講山形村山教区支部講員が新曲「般若心経和讃」の練習に取り組み、この新曲も奉詠すること
  3. 女性合唱団約40人による「癒しの合唱」を依頼すること
  4. 特に被災が大きかった福島第一教区(浜通り地方)の教区長、宮城教区長、岩手教区長の三人にお出でいただくこと(福島第一教区長は当該教区の三回忌法要のため欠席)
  5. 山形教区村山教区役員の全員が役割持つこと

以上の方針を柱として開催しました。

 法要は上堂の鐘がカァ~ン、カァ~ンと鳴り響く中、僧侶が本堂に入りました。会奉行(エブギョウ 法要を取り仕切り、全体の進行の責任者です)の地蔵寺住職・佐藤快雄師によって法要の開始が宣言されました。

智山勤行式(内容一部)

 続いて、地蔵院住職・村山英隆師の経頭(お経の先導役)で参加者全員による「智山勤行式」をお唱えした。このお経は、智山派では最も日常的に読まれているものです。読み慣れているお経でもあり、250人の力強い声が響き渡りました。

管長ご垂示代読 吉村憲昭山形庄内教区長

 次に、寺田信秀管長猊下に頂いた「御垂示」を吉村憲昭山形庄内教区長が代読しました。 許可を頂きましたので管長猊下の「御垂示」を掲載いたします。

東日本大震災三回忌慰霊並びに復興祈願法要に寄せての言葉

 本日茲に 山形教区合同 東日本大震災三回忌慰霊 並びに復興祈願法要が厳修されるにあたり 恭しく礼拝してもうしあげます。
 想い起こしますに 二年前の3月11日 午後2時46分 突如として発生した東北太平洋沖 地震は猛威を振るい 巨大地震と大津波に因る 犠牲者は 二年の歳月を経た今日もなお 総べての ものに対する癒えることなき喪失感と生活の不安に 心を痛める毎日を送っておられます。
 殊に 福島県原子力発電所跡に於いては未だ 放射能の脅威にさらされ 近郊の住民の方々の多くは 故郷を離れ 元の平安な生活とは掛け離れた苦難に 満ちた生活を余儀なくされておられます。
 総本山智積院に於きましても 毎日 亡くなられた方々への 回向 並びに被災地の復旧 復興を祈念しお勤めを 致しておりますが 被災者の皆様のことを思う度に 何かの形でお力添えをせねばと 胸が痛くなる想いが 致しておりました。
 有り難いことにこの様な思いは やがて真言宗智山派に おける 被災地支援の為の様々な施策として実行に移され その結果 全国の御寺院 教会更には他宗派等多くの 方々から寄せられた浄財を 義援金として被災地に お届けすることが出来ました。
また去る2月27日 本山金堂に於いて 東日本大震災三回忌法要を厳修し 併せて納経奉納法要を執り行いました。
これによって現在まで寄せられました写経と納経料が 被災地各寺院に届けられることと相成りました 更に宗派としては「災害復興支援委員会」を組織し 短期的 長期的対応の策定や具体的な支援を講ずべく 日々努力を重ねております。
 これらの施策が被災物故者諸精霊の慰霊と被災者 の皆様方の心のささえと 復興のお力添えとなること を切に願っております。
 懇ろに香を薫じ 真心を以て 本日の厳儀に 出仕された諸大徳の梵声に託し 被災物故者の方々の ご冥福を祈り 併せて被災者の皆さまの御心が 本尊大日如来の霊光に加持せられ 一日も早い 復興が成し遂げられますよう 祈念いたしております。

平成25年3月9日
真言宗智山派管長
総本山智積院化主
大僧正 寺田信秀

東北北海道ブロック長 登嶋弘信師 ご挨拶代読
山形置賜教区長 佐田 喬師

続いて、東北・北海道ブロック長、福島第一教区長・登嶋弘信師の「ご挨拶」を佐田喬山形置賜教区長が代読しました。登嶋弘信師にご了解を得ましたので挨拶文を掲載します。

挨拶文

 山形村山教区主催、東日本大震災三回忌慰霊並びに 復興祈願法要に当たり一言ご挨拶申し上げます。  あの空前の大震災から早くも丸2年になろうとしております。 大震災により物故された方々のご冥福を心よりお祈り申し上げ ます。又震災により住所を失い未だに避難生活を余儀 なくされている多くの方々、そして又、福島原子力発電所の事故に より古里に戻れず山形の地にお世話になっておられる沢山の 方々に心からの同情とお見舞いの言葉を申し上げます。
 間もなく大震災以来二年目の春を迎えることになりますけ れども今もってはっきりとした復興が確認できない状況に あります。避難生活を続けてられている皆様のご心情を察するに 余りあります。どうかこのご不自由千万な現状を打破すべく 復興に向かってがんばろうではありませんか。特に原発事故 により避難生活をされている方々、先の見えない困難に立ち 向かって共にがんばり続けたいと思います。それにつけても健康が 第一であります。お体には十分留意されて復興二年目の難関 辛苦を乗り切って頂きたいと思います。
 結びにこの大震災の犠牲者のご冥福を心からお祈りすると 共に復興に向かっての決意を不動なものにすべくお願いし ご挨拶といたします。  合掌

平成25年3月9日

真言宗智山派教区代表会東北・北海道ブロック長
福島第一教区長 登嶋弘信

写経を奉呈する山形村山教区檀信徒協議会
副会長 村山欽一氏 頂く清浄院住職・佐竹義行師

 次に、三教区合同で取り組み、多くの方々からご協力いただいた「慰霊と復興に向けて」の写経850巻をご本尊に奉呈しました。奉呈は、檀信徒を代表して山形村山教区檀信徒総代協議会副会長・村山欽一氏、会場寺院の髙橋茂雄、駒林博両総代が担当し、外陣に待機した清浄院住職・佐竹義行師に手渡されました。 

写経は佐竹義行師から内陣の村山英隆師に

 佐竹師は内陣の地蔵院住職・村山英隆、正法寺住職・村山英俊の両師に。両師はご本尊前に進み、承仕を介してご本尊に恭しく奉呈。  その後、導師登礼盤(内陣中央の台檀に登ること)に続いて、声明の奠供(テング)が総勢35人の僧侶によって厳かに唱えられました。頭をとったのは昨年3月に一年間の修行を終えて専修学院(本山・智積院併設)を卒業した、光明院の青年僧・高松龍照師です。

導師 表白文

 奠供が終わり、導師を務めた拙衲が表白文を読み上げました。少し長いのですが、三回忌法要の意義について述べたものですので、その内容を紹介することとします。

東日本大震災三回忌慰霊並びに復興祈願 表白文

 敬って真言教主大日如来、両部界会諸尊聖衆、別しては本尊極楽化主阿弥陀如来観音勢至両大菩薩、弘法大師等三国祖師、惣じては尽空法界一切三宝の境界に白して言さく。
 夫れ、平成23年3月11日発生の巨大地震と大津波は、2万人近くの犠牲者と行方不明者、そして33万人を越える避難者という未曾有の大被害を生み、更には福島第一原子力発電所事故による放射能汚染という人災事故をも発生。  大震災・大津波による家屋の倒壊と喪失、家庭と地域社会の崩壊、併せて多くの本宗寺院堂宇等の破壊。加えて目に見えぬ放射能によって故郷を追われ、福島県民16万人が避難者となる。当・山形県内には現在も尚、全国最多・一万人近くの方々が避難者として、不自由な生活を強いられている状況下に。
 本日茲に、福島県からの多くの避難者の方々も参列し、物故者の慰霊と被災地の一日も早い復興を共に祈念するもの也。  参列の各位を前に、伏して想う。 原発・放射能汚染は、人智で制御不能の危険な事態に遭遇。私たち日本人は、広島と長崎の原爆による、放射能の脅威を世界ではじめて体験した被爆国民であるにも拘わらず、同じ「核」である原発を「安全神話」を基に、数多く地震大国日本列島に建設。
 しかるに「想定外」と言われた大地震により原発の安全神話は完全に崩壊。
 この事態により、こん日まで電気を湯水の如く使い「もっと便利にもっと明るく」と電気による生活の利便を求め続け、絶えざる欲求を重ねてきたことに気付く。そしてこの欲望が大量の電気を要求してきた事実と私たちがより高い次の欲望に、そして尽きることない貪欲の世界に陥ってしまう危険性に改めて気付き、仏教精神「足を知る」の教えを今茲に思い起こすものなり。
 「人のいのちと健康は経済性に優先!」。この当たり前の精神に立ち戻り、自然エネルギー等の持続可能なエネルギー活用により、原子力発電によらない脱原発・卒原発を目指し、子孫に明るい未来を提供するものぞと。
 大震災発生以降、当・真言宗智山派山形村山教区に在って、一昨年四十九日忌慰霊法要、昨年には県内真言宗智山派による一周忌慰霊並びに復興祈願法要を厳修。
 しこうして本日茲に、真言宗智山派管長・寺田信秀猊下の御垂示、東北・北海道ブロック長・登嶋弘信教区長のお言葉、並びに佐藤秀佳岩手教区長・杉田広仁宮城教区長ご臨席の下、庄内教区と置賜教区の協賛を仰ぎ、県内諸大徳をはじめ多くの檀信徒・地域住民並びに被災されて山形県内に避難されている方々を迎えると共に、多くの方々から協力いただいた「東日本大震災物故者追善菩提並びに被災地復興祈願」写経850巻・納経料95万6千円本尊に奉呈し、山形村山教区主催による三回忌慰霊並びに復興祈願法要を厳修す。
 伏して思う。大自然の猛威は我々人間の叡智と力及ばざるを知らしめる。ここに亡き人の精霊並びに、人智の及ばざる世界に祈りの誠を捧げ、以て大日如来の境地に引導するもの成り。ここに参集の総意一心に結集し、弘法大師のご宝号「南無大師遍照金剛」を唱え奉るものなり。
重ねてこいねがう、大震災物故者の慰霊と避難生活を強いられている被災者をはじめ、多くの関係者の一日も早い平穏なる生活、並びに被災地の復興を祈願するものと。
乃至法界 平等利益

平成25年3月9日
真言宗智山派山形村山教区長
大慈山圓應寺導師 権少僧正 啓 芳 敬白

尚、この内容の基本は、当教区役員会並びに東北・北海道ブロック教区長会の意向を踏まえて作成したものです。

随喜の方々も一緒に「理趣経」

 導師・表白文に続いて、副教区長平塩寺住職・渡辺良仁師の経頭により、僧侶全員での「理趣経」の読経に入り、参加者の心に仏の心を伝え続ける中、皆さんにご焼香を頂きました。参列者は物故者の慰霊と復興の願いを念じ、深々と・丁寧に・心を込めてのご焼香となりました。

詠題をお唱えする遠藤光延師

 続いてこの日のために各支部で練習を積み重ねた、村山教区遍照講各支部講員97人による御詠歌「追善供養和讃」と新曲「般若心経和讃」が奉唱されました。詠題・詠頭は遍照講指導師範・副教区長威徳寺住職・遠藤光延師です。100人に及ぶ御詠歌は「追善供養和讃」によって亡き人に思いを馳せ、「般若心経和讃」によって心静かに復興への祈りを捧げました。2曲とも1番と4番をお唱えしましたのでその歌詞を紹介します。

「追善供養和讃」

 1番  散りゆく花を惜しめども また咲く春のあるものを
     逝かしし君がみ姿に 再び会わん由も無き
 4番  今日しもゆかりの日を迎え  面影しのぶ法(ノリ)の場(ニワ)
     みたまよ我等がまごころの  厚き手向けをみそなわせ

「般若心経和讃」

 1番  菩提(サトリ)の心求むれば   般若の智慧に照らされて
     彼岸の里に行き到り  あまたの苦厄除かれん
 4番  真言陀羅尼唱えつつ  覚りの国に入りぬれば
     曼荼羅仰ぎとこしえに 生きる力も輝かん

一臈 岩手教区長 二臈 宮城教区長

 御詠歌が終わって、上座(岩手教区長佐藤秀佳師)、至心回向。終鐘の音を聞きながら導師下礼盤。

避難者を代表して 佐藤眞敏氏

 続いて、避難者を代表して福島県浪江町から避難されている佐藤眞敏氏から「復興への願い」の言葉を頂きました。大津波に加え放射能汚染によってふる里を追われて2年、生活基盤をそろそろ整えなければならない苦しい想いを語られました。避難されている方々の困難な生活とご苦労に一同深く想いを寄せることとなりました。佐藤氏にご了解を得ましたのでその原文を掲載します。

「復興への願い」

 大震災原発事故から逃れ、山形での避難生活も2年が過ぎました。
 私は昨年の8月より、浪江町の復興支援の仕事をしています。
 山形県内に避難している280名の方々の避難先を訪問し、お話を聞いたり、町への要望等の聞き取りを行い現状の把握、町民同士の交流の場の企画等、町とのパイプ役を果たしています。
 その中で、慣れない土地での長引く避難生活への不安、なかなか進まないふる里の復興の現実への戸惑いの声が多く聞かれます。
 私も11月に6巡目の一時帰宅をした時、目にしたふる里の姿、人が生活できない2年の歳月がこんなにも変わり果ててしまうのか、今後の居住地を決める覚悟で山形に戻りました。みんながそれぞれに事情を抱えこれからの生活に思いを馳せるこの頃です。
 今年も復興祈願法要に住職様より声を掛けていただき参加できましたこと、避難者を代表し感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

女性合唱団「タウベンコール」による癒しの合唱

 次に、女性合唱団「タウベンコール」40人(指揮・高橋まり子、伴奏・田中奈織美さん)による癒しの合唱・「風がはこぶもの」と「ふるさと」が歌い上げられました。
 その澄み切った歌声は、堂内の隅々まで響き渡り、一人ひとりの胸の内に語りかけ、心清らかにそして自らのふるさとへの想いを呼び戻す正に「癒しのコーラス」となりました。聴いている人びとは勿論、歌う人びとの中にも声を詰まらせ、目に涙の方も。感動一杯の合唱となり、歌い終わった時には、一般席から予想外の拍手が起こってしまいました。その拍手は、はじめはパラパラでしたが、やがて堂内に響き渡る大きな拍手となりました。それまでの厳粛、荘厳の雰囲気の中、多くの人びとは拍手を遠慮していたのですが、感動きわまった結果であり、正に宗教的感動を体験した結果の表現となりました。
 「ふるさと」はどなたもご存知の歌詞であり曲ですが、「風がはこぶもの」については余り知られていないと思います。心に響く素晴らしいメロデーでしたが、その歌詞も素晴らしく、参列者の中には「歌詞も素晴らしかった!」との声も多々ありましたので、その歌詞を紹介いたします。

「風がはこぶもの」 (作詞:山上路夫 作曲:菅原進)
 街を歩くときに 風に耳をすませてね  風の中にきっと私の声がする
 夜に眠るときも 窓をたたく風の音  どうぞ聴いて欲しい  ささやく声がする
 いつも私は愛の言葉を  風の中につげているのよ
 私の愛 何も気付かないのあの人は だからせめて風よ 愛を伝えて
 今日も私は 愛の思いを 通り過ぎる風に託すの
 私の愛 何も気付かないのあの人は だからせめて風よ 愛を伝えて 愛を伝えて

 最後に主催者を代表し、ご挨拶と法話の時間を頂きました。その要旨を紹介します。
 「今日は250人を越える方々に参加していただきました。
49日忌、一周忌そして今日の三回忌法要と次第に参加者が増えました。
三教区管内の住職の皆様の協力の下、檀信徒の皆様の積極的参加をいただきました。
地域住民の方々にも沢山の方々に参加いただきました。そして大震災と放射能汚染で避難されている方々、一周忌に続いて一緒にお参りできことに感謝申し上げます。
御詠歌講員の皆さんは、新曲に取り組み練習に励み発表いただきました。又、女性合唱団「タウベンコール」の皆様、この法要の主旨をご賢察いただき、ご協力頂き厚くお礼申し上げます。この世で一番美しい音は、「人の声」という言葉があります。御詠歌もコーラスも正に人の声であり、ご本尊様も650年の歴史の中で、初めてその美しさすばらしさにふれ、思わずニコッとしているように思われます。私たち僧侶も心からの読経を唱え上げたつもりです。これらが相まって参列者一人ひとりに素晴らしい感動を頂きました。これこそ「宗教的感動」です。この感動を持ち帰り慰霊と復興を祈りましょう。
 さて、この2年間、私たちは「いのち」ついて言わば強制的に考えさせられました。「いのち」を考えることは「生」と「死」を考えるということです。大震災まで特に「死」を考えるのは中高年の方々ではなかったでしょうか。ところが震災以降は若い世代でも「死」を考えざるを得ない状況になったと思われます。あの震災の直前まで、人生を謳歌していた若き青年達も含めあっという間に2万人近い人が「いのち」を落としてしまったのですから。
 今日の法要は、その亡くなられた方々の慰霊と被災地の一日も早い復興を祈願したものですが、この場には放射能汚染から追われて山形に避難されている多くの方々も参加頂いておりますので、原発問題について考えたいと思います。 

当時の総理大臣 菅直人総理大臣

 表白文に追加しての述べますが、原発の安全神話が完全に崩壊し、一時は東京都民の避難をも呼び掛ける緊迫した事態を迎え、時の菅直人総理大臣が国民に呼び掛ける原稿が出来上がっていました。幸いにして一歩手前で奇跡的に収まったと言われています。 この時の原稿を紹介します。「この度の福島第一原子力派発電所の大規模事故にあたり、多くの国民のみなささまに大きな不安をお与えしていることを、改めてお詫び申し上げます。 ~中略~ 政府は、全力を挙げて、事故対策、避難支援、生活支援に取り組みます。しかしながら、ことここに至っては、政府の力だけ、自治体の力だけでは、みなさまの生活をすべてお守りすることができません。どうか、国民一人ひとりが、冷静に行動し、いたわり合い、支え合う精神で、どうかこの難局を共に乗り切っていただきたいと願います」(船橋洋一著「カウントダウン・メルトダウン」より)。このように人智では制御できない危険な事態に陥っていたのです。「いのちと健康は経済性に優先」このあたりまえの社会を目指したいものです。

 そのために先ほど表白文で申し上げた仏教精神「足を知る」努力をしようではありませんか。もう一つの「絆」についてですが、仏教では布施行に励み絆を深めようと教えております。昨年は無罪の七施の中で眼施(げんせ・優しいまなざしで接する)と和顔施(わがんせ・穏やかな表情で接する)についてお話ししましたが、今回は言辞施(ごんじせ)と身施(しんせ)についてお話したいと思います。言辞施は、思いやりのある言葉で人と接することです。生きものの中で私たち人間だけが持っている能力ですが、言葉はどんな素晴らしい贈り物よりも人を感動させることがあります。逆に人の気持ちを鋭く傷つけてしまうこともあります。身施は、自分の身体を使って奉仕することです。他の人のために尽くしたり、社会のために働くことを意味しますが、今回の震災についてのボランティアはその代表的な「身施」と言えます。  この様な布施行により、人とひとの「絆」がより強くより深くなると思います。一人ひとりが日常生活の中で「足を知る」努力と布施行に励まれることを期待するものです。本日は誠に有り難うございました。

募金に協力する皆様

 以上を以て終了宣言となりました。  当日は募金箱に115,461円の義援金を頂戴いたしました。納経料と合わせ本山に納入させていただきました。  法要を厳修するに当たり、三教区管内各寺院はもとより、写経に取り組んでいただいた檀信徒・地域住民各位、宗教的感動に力を頂いた遍照講各寺院支部と、「タウベンコール」の皆様に心からお礼を申し上げると共に、物故者の慰霊と被災者皆様方の一日も早い平穏な生活並びに被災地の復興を心からお祈りするものです。
 又、当日は、地元のテレビ局四社、新聞四社の取材がありました。ニュース番組で放映され、新聞各紙に掲載されました。県内の人々と共にお参りできたのでは‥‥と思っております。
次に翌日(3月10日)の新聞に掲載された記事を紹介します。

山形新聞より引用
朝日新聞より引用
毎日新聞より引用
河北新報より引用

資料として[法要次第]と[法要配役]を掲載します。