住職法話

住職法話 「いかに生き、いかに死ぬか」

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第109回

(令和2年4月1日)
V. 有限の人生そして「死」を意識して

前回NHK「マイあさラジオ」の「健康ライフ」で放送された 「人とのつながりが寿命を延ばす」の内容を紹介すると共に実生活について考えてみました。今回はその2回目です。

V-117 人との繋がりが寿命を延ばす 〜「幸福度」と寿命〜

名古屋市千種区・猫ヶ洞

 さらに石川先生は「幸福度を高く感じている人程寿命が伸びるということが最近わかってきました」というのです。その理由として「幸福であると困難を乗り越えやすくなるのではないかと考えられ、配偶者との別れなど辛い時でもポジティブな人ほど他の人の助けを得られやすく、広い視野を持っていることなどが困難を乗り越えて行きやすいのではないかと考えられています」と。
 ところで、その幸福度は何によって決まるのでしょうか。先生によると「幸福の50%は遺伝で決まる」というのです。
具体的には、「人々を @ごきげんな人 A不機嫌な人 に分類すると、ごきげんな人の家族はごきげんな人が多く、不機嫌な人の家族は不機嫌者が多いという傾向」があるというのです。
 さて、それでは「幸福は50%遺伝で」となるとそのパーセントの大きさにガックリしてしまいそうになりますが、先生によると「残り50%は育つ環境や行動などで変えることができますので悲観的に考える必要はありません」として、「例えば、孤独な人の部屋は散らかって汚いことが多く、そのような部屋には人も来ません」が、「部屋をきれいにすることによって、友人が遊びに来て、人生が幸せな方向に向かうということにもなります」と。

V-118 人との繋がりが寿命を延ばす 〜幸せになる5つの行動〜

 前項で「残り50%は育つ環境や行動で……」と紹介しましたが、より具体的にどの様な行動が求められるのでしょうか。石川先生は、国家的に取り組んでいるイギリスの「幸せになる5つの行動」を紹介しています。その行動とは

 @ 運動をすること(運動をすると脳内物質のβエンドルフィンが分泌され幸せを感じます)
 A 感謝をすること(長年お世話になっている人に、じかに感謝を述べる)
 B 人とつながる
 C 新しい事を学ぶ
 D 人に感謝を与える


 このような行動をすると幸せにつながり、心理学の研究でも十分効果があることが確認されているのだそうです。
 この5項目をいきなり全部実行するのはなかなか困難ですが、先生は「どれか一つでも、今日から始めて見る事が、あなたの幸福度を上げてゆきます」と。

V-119 人との繋がりが寿命を延ばす 〜さらに「人に親切にすることが長生きの秘訣」(NHK総合テレビ「ためしてガッテン」から)〜

 話は変わりますが、2018年6月6日、標記番組で「人に親切にすることが長生きの秘訣」という内容が放送されました。米国の学者で長生きの仕組みを研究しているスティーブコール教授の実験と考えを紹介したのです。
 それによると、毎日1ヶ月間、1日3回、「他人に親切をした人の免疫力を測定すると免疫の炎症反応が低下していることが分かった」というのです。免疫の炎症反応が続くと全身の筋繊維が萎縮したり、動脈硬化、脳梗塞などになりやすいということなのです。
 何故、人に親切にすると体にいいのでしょうか。この疑問に対しては「人類は進化の過程で互いに助け合って生き残ったという歴史が関係している」と前置きした上で、「集団で狩りなどをしていた原始生活では、孤独になることはすなわち死を意味した」ということです。
 つまり、人と繋がりを持つということが、免疫細胞の炎症を減らすことになるというのです。

V-120 人との繋がりが寿命を延ばす 〜つながってますか?〜

 人は誰でも自分の健康に関心がありますが、私もかつては長い間医療の現場に居ましたし、一方で住職の任もあって多くの人の死に出会ってきましたので、自分の健康には大いに関心を持ってきました。
 しかしこのラジオを聴くまでは、食事と運動そして睡眠を通してしか健康について考えたことはありませんでした。「人との繋がりが寿命を延ばす」という考えは、石川善樹先生の個人的学説ではなく、厚労省が進める「健康日本21」にもこの精神が盛り込まれているとのことです。
 確かに、家の中でジッとしているような生活に比べ、趣味をはじめとした組織に所属して日々を楽しみ、場合によっては役職も引き受けて活動的な生活を送っている人は、“若い”との印象があります。これを機会に皆さんも頑張ってみては如何でしょうか。

V-121 人との繋がりが寿命を延ばす

 寿命だけでなく健康寿命をいかに延ばすか、ということがこれからの課題と言われる中、「人とのつながり」がその重要な要素であるとのことでした。様々な組織に所属するとともに役員も引き受けて積極的に活動する。
 周りにいるそのような方を見ますと確かに生き生きとしかも若々しく目に映ります。元々元気な方が役回りを引き受け、その結果としてやり甲斐や生き甲斐を持ってますます元気にという面も有るのではとも思いますが、自ら役割を持って企画運営に参加し前向きに生きることは精神的にも肉体的にも大切であることを改めて確認できた内容でした。

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