住職法話

住職法話 「いかに生き、いかに死ぬか」

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第77回

(平成29年8月1日)
T.日本社会の現状 -福祉的社会学的考察-

 この項の「T 日本社会の現状」から、 「 X 仏教に見る祈りと教え」まで、先月で15巡しました。今月から又、 「T 日本社会の現状」に戻って現代社会の私達の生活を見ていきたいと思います。今回は、前回の「老後の経済的備え」の続編です。

T-80 生活保護世帯過去最高 〜特に高齢者単身世帯の増加〜

 老後の生活の厳しさは、以下の生活保護世帯の増加からも垣間見ることが出来ます。
 厚労省2017年1月11日、前年の10月の数字を発表しました。10月に受給した生活保護世帯は前年比964増の163万7866世帯になり、3か月連続で過去最高になりました。内訳は高齢者が83万6387世帯で全体の51.3%。このうち単身は高齢者世帯の約9割に当たる75万8377世帯。その他傷病・障害者43万601世帯。失業者を含む「その他」が26万2712世帯となっています。これらを見ても分かるように高齢者世帯、その中でも単身者世帯の受給者が極めて多くなっているのです。

T-81 再度「老後の資金不安」

 一方、以前にも述べましたが、老後の資金について、2017年2月の某新聞記事によりますと、「老後の資金に不安ありますか?」の問いに対して「はい」が80%ほどという実に高い数値を示し、圧倒的多数の人々が不安を持っているのです。このような実態は、年金支給の年齢が60歳から65歳への引き上げや介護保険料の値上げと利用料金値上げ等、社会保障の切り下げなども影響していると考えられるのではないでしょうか。

T-82 世帯貯蓄 過去最高 〜平均以下が67.7%〜

 このような経済生活の「心配」については、世帯の貯蓄からもかいま見られます。2017年5月16日、総務省「家計調査」によりますと。16年の一世帯(二人以上)の平均貯蓄額は、前年比0.8%増の1820万円。4年連続の増加で過去最高。年金などの将来不安を背景にした節約志向の中で貯蓄を殖やしている実態がうかがえ、世帯主が60歳以上の高齢者世帯では、2385万円で全体を押し上げている形となっています。但し、世帯の三分の二(67.7%)は平均額を下回っており、貯蓄がある世帯を順番に並べた中央値は1064万円ですが、高齢世帯の15.1%は300万円未満、100万円以下も7.4%であり、格差拡大が実態なのです。

T-83 経済的厳しさに加え深刻な「老老介護」 〜2017年6月27日厚労省「国民生活基礎調査」〜

 「老老介護」(65歳以上の要介護者を65歳以上の人が在宅で介護する)の割合が、54.7%と半数を超えるとともに、75歳以上が30.2%となり、初めて30%を超えました。前項の調査と異なりますが、この調査による全世帯の経済状況を見ると「貯蓄がない」世帯は14.9%、100万円以下の世帯は8.2%で合わせると20%を超えることになります。又、平均所得以下の世帯が61.4%、前年より貯蓄が減った世帯は4割という厳しい実態が報告されました。ここにも経済的格差拡大の実態があると共に、毎日続く24時間の「老老介護」の厳しい現実が突きつけられるのです。

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