住職法話

住職法話 「いかに生き、いかに死ぬか」

トップページ > 住職法話 > 第47回(T 日本社会の現状 -福祉的社会学的考察- 48〜52)

第47回

(平成27年2月1日)
 この項の「T 日本社会の現状」から、 「 X 仏教に見る祈りと教え」まで、先月で9巡しました。今月から又、 「T 日本社会の現状」に戻って現代社会の私達の生活を見ていきたいと思います。前回のこの項では人口の高齢化について述べましたが、今回は高齢者の就労状況について述べます。

T 日本社会の現状 -福祉的社会学的考察-

T−48. 60歳超の就業者過去最多に @


 2013年4月27日総務省発表によりますと、2012年における60歳超の就業者は、過去最多の1,192万人となり、6年連続で過去最多を更新、全就業者の19.0%を占め、ほぼ五人に一人が60歳超の就業者となりました。世帯収入の減少から働かざるを得ない状況に加え、これは2001年からの年金受給開始年齢の引き上げや2006年の改正高齢者雇用安定法により、原則65歳までの雇用が影響していると言われています。

T−49. 60歳超の就業者過去最多に A


 前項と同じ調査によりますと、60〜64歳の人口に占める就業者は、57.7%であり、60歳代前半では半数以上が就労しています。
 一方で現役世代と言われる15〜59歳の就業者数は10年間で370万人の大幅減少で、5,078万人となり、特に15〜29歳の若年層に限りますと10年間で320万人の大幅に減少し、1,044万人となりました。少子化社会の中で若年層就業者減少がそのまま現役世代の減少につながっている状況下にあります。60歳超の就労者の増加は、その理由は別として次第に貴重な戦力になりつつあるのも現実となってきたように思われます。

T−50. 増える65歳以上の就労人口 @


 高齢者の就業者数増加は、65歳以上についても顕著です。2014年2月18日付日本経済新聞によりますと65歳以上の就業者数は2013年で前年比7%増の636万人となり、初めて全就労者全体の一割を超えることになりました。日経は「働く高齢者が増えれば人口減の影響を補って経済の成長ができるほか、社会保障も安定する」としてこの数値を積極的に評価をしています。数値の見方・考え方はいろいろあると思いますが、前々項で述べました世帯収入の減少の他、年金開始年齢の引き上げ等により、高齢になってもやむを得ず働かざるを得ない状況の中で増加している側面も考えられるのではないでしょうか。

T−51. 増える65歳以上の就労人口 A


 日本の65歳以上の就業者が全就業者の一割超(2013年)となりましたが、前項の日本経済新聞によりますとこの数値は欧米主要国の1〜5%を大幅に上回っています。少子高齢化と長寿大国の一端を見る思いですが、社会保障制度との関係も当然考えなければなりません。

T−52. 労働力人口減少が経済成長を妨げる‥!?


 これまで見てきたように高齢者の就労人口は、人数とパーセントの両方で伸びていますが、これは60歳未満の働き手が減少しているからに他なりません。つまり若手の労働力人口が減少しているのです。同時に日本の人口が減少している中、全体としての労働力人口(働き手の人口)が減少しているのです。
 内閣府の試算による労働力人口は「女性の労働参加などが進まなければ2013年の6,577万人から2060年には3,795万人に減少する」と見込まれています。この様な労働力減少によって経済成長が妨げられることが危惧されているのです。この対策として合計特殊出生率の回復は当然ですが、政府にあっては移民の受け入れの是非も検討され始めているとのことです。

トップページ > 住職法話 > 第47回(T 日本社会の現状 -福祉的社会学的考察- 48〜52)