住職法話

住職法話 「いかに生き、いかに死ぬか」

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第4回

(平成23年7月1日)

 地球上には、数限りないほどの「生きもの」が生存しています。動物は勿論のこと、植物も立派な「生きもの」です。私達人間もその中の一つの種である「人」という生きものです。したがって「生あるものいつかは滅す」の定めによって、必ずや「死」を迎えることになります。
 そこでこの第V項では、標記のタイトルで「いのち」を見つめたいと思います。

V−1.人生80年

沖縄・美ら海水族館 巨大マンタ沖縄・美ら海水族館 巨大マンタ

 戦後の暫くは、「人生50年」と言われましたが、今や「人生80年」、世界に冠たる長寿国となりました(しかし死なないのではありません‥‥念のため)。

 それまでの人生は、働きに働き、子育てをしながら又働き、「老後」をゆっくり暮らす間が無く、脳血管障害、ガンそして心臓病で最期を迎えると言うのが一般的でした。ところが、「人生80年」の現代にあっては、子育てを終え、定年で退職した後の一定期間を「どのように生きるか」という課題が生まれました。これは「どのように死を迎えるか」という課題にもつながるものです。

V−2. 小中学生は「いのちを」どう考えている?

@ 県内小学4年生一クラス26人に
「人は死んだらどうなりますか?」
「もう一度生き返って生まれ変わる」 6人(23%)
「二度と生き返らない」 12人
「どうなるか分からない」 8人
「人が死んだ場面を見たことがありますか?」
「実際に見たことがある」 6人
「テレビや映画で見たことがある」 15人
「見たことがない」 5人
A 生と死について
小・中学生に調査

(長崎県教育委員会・05年発表)
「死んだ人は生き返る」と
回答した生徒
小学4年生 14.7%
小学6年生 13.1%
中学2年生 18.5%

 まず、現代の子供はどう考えているのでしょうか

 @は、県内小学校の授業を担当した時、担任教師が事前にアンケート調査したものです。
 26人中、2割強の6人が「もう一度生き返って生まれ変わる」と回答しています。
 「一度やっつけても」リセットして又やり直しがきくテレビゲーム等の影響なのでしょうか?この傾向は、山形特有ではないようです。

 Aは、一時期子供の殺傷事件が起きた長崎県の調査でも割合は低いのですが、「生き返る」と考えている生徒が相当数にのぼります。特に、中学2年生の高さが気になるところです。
 ところで、子供達の圧倒的多数が、人の死を実際には見たことが無いと答えています。
 これは、先月のU緩和ケア医療に学ぶ生と死 〜生と死の考察〜 「在宅死と医療機関死」の項で、「家族と共に生きてきたお爺さんやお婆さんがどのように体が弱り、精神的に弱っていく中で、孫達にその姿と心を見せないままの死は、子供達にとって 『人はいつかは死を迎える』という過程的実感に乏しい事になります。」と述たように、「生き返る」との思いに、在宅死の少ない現状も影響しているのではないでしょうか。

V−3.地球の歴史 〜人の命の偶然さと貴重さ〜

地球の歴史 〜人の命の偶然さと貴重さ〜

 地球上に38億年前最初の生物が誕生したと言われています。そこから 遺伝子で受け継がれ数千万種類の生物が誕生しました。そして選び抜かれて私達「ヒト」が誕生しまた。

 生命科学者・柳澤桂子氏によると私達人間の歴史は、
「地球は40億年間で8回、大隕石と衝突して大爆発、地球全体が海も塩も燃える火の海となった。しかし生物は生き残った。最大爆発の2億5千万年前の時は95%の生物の種が滅亡した。しかし人間の祖先は生き残った。その5%の中に人間が入り、進化した」と。

 私達のこの命は、確率の低い偶然をとおして得た、本当に貴重な命なのです。

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