住職法話

住職法話 「いかに生き、いかに死ぬか」

トップページ > 住職法話 > 第2回(T.日本社会の現状 1〜4 )

第2回

(平成23年5月1日)

第2回の今回は、日本社会の現状を人とひとの繋がりの希薄と失業問題についてスポットを当ててみました。
さて、人は何処で、誰の子として生まれるかはその人が自分の意志で選択できるものではありません。
しかし、何処で誰の子として生まれようが、人生ははじまります。その人生をいかに歩み、どのように死んでいくか。つまり 「いかに生きいかに死ぬか」はその人自身の問題であり課題となるのです。

T−1.
人とひとの繋がりが薄い社会、経済的生活が厳しい社会、そしてストレスの多い社会

入浴中の急死者
年間 14,000人
(10年交通事故者 4,863人)
 住職の私は、昭和18年生まれです。私の子供の頃の入浴は、毎日自宅の風呂に入るのではなく、「向こう三軒両隣」の家々で交互に風呂を沸かし、互いに「もらい湯」の習慣がありました。「今晩、ウチで風呂立てたから(沸かしたから)どうぞ!」などの誘いを受け、近所の風呂に入ったものです。隣近所の繋がりは日常生活に密着していました。加えて、当時は薪風呂でした。薪を割る人、沸かす人、入浴中に外から「風呂の案配どうだ? ぬるくないか?」などと声かけして温度を調整する人。日常の生活は、正に人とひとの繋がりの中にあったものです。
 ところが、現在の生活は、ボタン一つで風呂が沸き、一定温度に調整される大変便利な社会になりました。家族が入浴中していても声かけは無く、テレビに熱中しているか、仕事中かの時代になってしまいました。
 結果、「入浴中の急死者 年間14,000人」とマスコミで目耳にする交通事故の3倍近い人数となってしまいました。確かに急性心不全等で結果として救命出来なかったかも知れない人々が入っていると思いますが、人とひとの繋がり、家族の繋がりの希薄さを示している「14,000人」ではないでしょうか。(より詳しくは、次のページで)
生活保護世帯の急増
58万6千世帯(1992年)

144万世帯(2011年1月)
過去最高を更新
人数199万9千人(同上)
 憲法第25条の国民の生存権として明記されいてる「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」が法制化された、国民生活の言わば最後の砦としての「生活保護法」。この受給者と受給世帯が過去最多を更新している(受給者は戦後の一時期を除く)。
 「景気は上向き」と言われるも、一般の生活実態とはかけ離れていることを物語っている。更に、今年の3月11日「東日本大震災」によって、受給者(世帯は)もっと多くなることが予想されている。「一億総中流」は何処に行ったのであろうか?
ストレス多い職場での
「のむ」「うつ」「かう」(天声人語)
のむ → 胃腸薬 胃カメラ
うつ →うつ病
かう → 宝くじ → 「当たったら辞める」
 一方、長時間労働、非正規労働の増加の中で、ストレスの多い職場が増えているという(朝日新聞・天声人語)。その職場での特徴は、「のむ」「うつ」「かう」とのこと。

T−2.

冬の入浴事故死 交通死の7倍(2010.10.14 朝日)
2009年11月〜2010年4月 鶴岡、酒田の庄内保健所管内
死者30人で同期間の交通事故死者4人の7.5倍
搬送者の内訳
  循環器又は脳血管疾患 40%
  意識障害 19%
  脱水 17%
  おぼれた 6%
死亡者は全員65歳以上
同保健所「入浴が長い場合、声かけなどの見守り意識を高めること」

T−3.


総務省 2011年2月21日公表

◆2010年平均 一年以上の長期失業者◆
一年以上の長期完全失業者
121万人
 (前年+26万人で過去最多)
男性 19万人増の89万人
女性 6万人増の 31万人
完全失業者 334万人
非正規社員 34万人増の1755万人
正社員 25万人減の 3355万人

T−4.


2010年4月28日連合総合生活開発研究所

◆「今後一年間に失業する不安は?」◆
・全体の23.9% ─ 「不安を感ずる」
・男性の非正社員の45.7% ─ 「感じる」
 男性の正社員の約2倍

 失業者の増加、長期化、固定化傾向の中で、働く人々の生活不安「今後一年間で失業する不安」は、全体で2割強、男性の非正規社員は45%の人が「不安を感じる」事態となっている。

トップページ > 住職法話 > 第2回(T.日本社会の現状 1〜4 )