圓應寺 住職法話
住職法話 第176回
仏教に見る祈りと教え
【仏教を今に生かす「いかに生きるか」の考察】
196〜200
「真言宗智山派密厳流遍照講東北・北海道地区山形奉詠山形大会について ③」
この項の前回は、2024年6月に開催されたご詠歌山形大会に参加した我が圓應寺支部の参加模様の続きを述べました。今回はその3回目(最終)です。裏事情も含め、御詠歌への想いを重ねて述べます。
Ⅴ-196 腕時計が・・・・

「いろは和讃」のお唱えです・・・・。
私自身も必死にお唱えしたのですが、このアップした写真を見てください。腕時計が邪魔ですネ。昔、住職になるための修行中に、師匠の故・佐藤良盛大僧正(本山宗務庁の法務部長を務め当教区の元地蔵寺住職)から、「読経中は腕時計を外すこと」との指導を受けていたのですが・・・・・。それにしても目立ちます!
Ⅴ-197 地元の新聞にも

壇上のスクリーンには大写しで奉詠模様の姿が映し出されます。総勢24人(参加登録は25人でしたが、残念ながら一人が病欠となりました)による奉詠で、今大会最多人数となった団体でした。そのためか、地元の山形新聞には私達の奉詠写真が載り「凜とした空気御詠歌唱える山形奉詠大会」と題して次のような記事が掲載されました。「真言宗智山派に属し、御詠歌を唱える密厳流遍照講の山形奉詠大会が21日、山形市の山形テルサで開かれ、各寺の檀家等が日頃の精進の成果を披露した(以下、略)」と。
Ⅴ-198 見事に練習の成果を発揮出来ました

このようにして、緊張しつつも何とか無事にお唱えすることが出来ました。場内から大きな拍手(そのように聞こえたのですが・・・?)を頂き、規定通り法具を調え、再度正面に向かって一礼して退座となりました。ところで当圓應寺支部の講員さんの平均年齢は何と80歳代です。正座出来る方は、キチンと座り背筋を伸ばして前列に、出来ない方は後列にイスとテーブルを利用してお唱えします。中には歩行が不自由な方もおりますので、入退場の際は、元気な方に手や肩を貸して貰って移動します。このようにして一同無事退場となりました。日常練習の本堂にあっても、入堂や退堂そして休憩の移動の際は、手をつなぎ肩を借り(貸し)ながらの移動になります。25人が一同になっている証の一つでもあります。
Ⅴ-199 皆さん大変ご苦労さまでした!

奉詠終って客席に戻る途中の記念撮影です。皆さん一人一人なかなかいい顔をしています。そうです、緊張が解けしっかりお唱えし、「やった!」との満足感一杯です。山形大会とあって、花笠が目立ちます、8月には会場の直ぐ近くで「花笠祭り」が始まり、沿道一杯に踊り手と客が一体となった祭りとなります。
後日、いつもの練習時間を半分にして茶菓子入りの反省会を行いました。独りずつ発言いただきました。20年のベテランで何回も大会に出た人は少しの余裕、初めての人はかなりの緊張を体験したとのことでしたが、やりきった!との満足感が一杯でした。
Ⅴ-200 当支部は全員赤房の鈴

そんな中、講員さんの一人から「大会の休憩時間に他の支部の方から『(圓應寺支部の)参加人数が多いが、皆さん全員が赤房を付けた鈴ですネ、私の支部は少人数ですが、色違いの人がいるんです』と言われました。検定を受けて資格を取り、結果として色違いになるんですよネ?」と。私の支部運営の根幹に関わることですので、次のように説明しました。「検定を受け、資格を取って階級を上げ、より正確で上手な支部にしていくという、考え方があります。この方式は、遍照講本部・指導部の基本方針です。対して私は、意としてその方式をとっていません。20数名の中に資格を取って房が変わる人と、変わらない人がいるのは全体の和を保って長く続けていく上で、障害になってしまうのではないかという危惧を持ってきたからです」と。私自身、当支部の指導者として長く務めてきましたが、師範としての最も低い「5等師範」で満足しています。この私の運営基本のためかどうか分かりませんが、支部を起ちあげて「アレから20年」なのです。今後も講員さんとともに、「やさしいお経、やさしい仏教」を胸に、楽しくわいわい、続けていきたいと思っています。
