いかに生き、いかに死ぬか

圓應寺 住職法話

住職法話 第5回

日々の生活の質をいかに高めるか
【生活の質の考察】1~4

「感謝、感激、感動について」

 前回は、「有限の人生そして『死』を意識して」と題し、「『生あるものいつかは滅す』の定めによって、必ずや 『死』を迎えることになります」と述べました。
 したがって、人生80年と言われる中、単に80年の年月を生きるのではなく、その生活の質が問われることになります。
 今回は、私達人間が本当に人間らしい特徴である感謝、感激、感動にスポットを当てたいと思います。

Ⅳ-1.配偶者に言われて嬉しかったこと

●配偶者に言われて嬉しかった一言 (単位:人)

順位男性女性
第1位ありがとう106ありがとう119
第2位ご苦労様/お疲れ様48美味しい51
第3位頼りになる/さすが28愛してる22
第4位結婚して良かった
一緒で良かった
22ご苦労様/お疲れ様19

参考:明治安田生命「いい夫婦の日」に関するアンケート調査 2006.11.21

 06年11月21日に明治安田生命が調査結果を発表。それによりますと、齢を重ねた夫婦であっても相手からの「ありがとう!」の一言が一番嬉しいという結果でした。
 これは男女共通であり、しかも他の項目を圧倒した答えでした。「夫婦であれば、いちいち『ありがとう』等と言わなくとも永年連れ添った仲ならあうんの呼吸で分かり合える」との考えもあると思われますが、想いを口に出し、感謝の心を直接伝えることが大切ではないでしょうか。

 以前、第2回法話 「Ⅰ 日本社会の現状」で、「入浴中の急死者 交通事故の3倍近い年間14,000人。人とひとの繋がり、家族の繋がりの希薄さを示しているのではないでしょうか」と述べましたが、日常の家庭生活に感謝の意を込めた「有り難う!」は大切な会話と言えるのではないでしょうか。

Ⅳ-2. 年越し派遣村から感謝の言葉

冬の圓應寺境内

 「派遣社員」「フリーター」等、非正規社員と呼ばれる方にとっては、寒さ厳しい年末の生活が最も不安定となります。そんな中、08年の年末、日比谷公園で「年越派遣村」が開設され、ボランティアによる食事の提供が行われました。
 この活動がテレビニュースで全国に流され、食事の提供を受けた方の次の言葉。「今日ほど人の情けが身にしみたことはない。来年の今日はこの場所に立って支える方の立場に立ちたい」
 何という感謝の言葉でしょうか!
 単に提供を受けるだけではなく、提供に感謝し、その上で一年頑張って支える側に立ちたいという前向きさ。この言葉に私も感激してしまいました。

Ⅳ-3.「はやぶさ」の快挙に沸いた!

 昨年の6月13日、太陽系の小惑星「いといわ」から7年ぶりに帰還した「はやぶさ」に 、日本中が驚き、喜び、感動しました。
 幾多の困難、故障を乗り越え60億㎞の旅を終えて帰還した日本技術の高さを証明した快挙だったからです。人間が最も人間らしく生きている中身は、感謝、喜び、感動ではないでしょうか。
 この様な人間らしい感性力をいつまでも持ち続けたいものです。

南米・ペルーの夕暮れ

Ⅳ-4.感性を磨く!

 私達の感情、喜・怒・哀・楽。しかし歳を重ねるにしたがって、「喜」「楽」の感性がにぶると言われています。17~18歳の頃は「箸が転げても笑える」との例えがありますが、中高年になっても同じとは行きません。

 私は、東北・山形の住まいですが、若い頃に東海道新幹線に乗ると「今日は富士山が見えるかな~?‥‥アッ見えた! 矢っ張り日本一の山だ!」と感激したものです。しかし何回か往復するうちに、気付いてみると富士山を過ぎてしまっています。
 歳を重ねるということは、幾多の経験を積むと言うことでもあります。 同じものを見てもはじめの頃は感動(喜び)しますが、次第に慣れてしまいます。
 これは楽しむの「楽」についても同様です。美しいものを見たときに「美しい!」との感性をいつまでも持ち続け、意識的に大切にしていきたいものです。「なでしこジャパン」W杯初優勝に日本中が感動した、アノ心を!
 対して、「怒」と「哀」の感性は、歳を重ねても余り変わらないと言われます。人によってはますます頑固になり「怒」が増幅する人も?

 イライラしたり緊張した場合は、ゆっくり大きく息を吸い、そしてゆっくり長く息を吐きましょう。気持ちが落ち着き、安定します。精神科医でもあった斎藤茂太は「一怒一老」(一つ怒れば一つ歳をとるゾ!)と言っています。

感動!感動!「なでしこジャパン」W杯初優勝